ガーデニング(植栽図鑑)
ヤブコウジ
【分類】常緑低木
【科名】ヤブコウジ科
【別名】ヤマタチバナ
【特徴】
日本、朝鮮半島、台湾、中国などに広く分布する常緑性の低木で、大きくなっても樹高はせいぜい30cm程度に収まります。名前の示すとおり山林の木陰などに自生しています。茎は枝分かれせず地下茎でふえていき、夏に小さな白花を咲かせて径5mmほどの実をまばらに付け、晩秋から冬にかけて赤く色づきます。葉は長さ10cmほどの長だ円形でフチにはギザギザが入ります。斑入りなど美しい葉を鑑賞する品種は鉢植えにされることが多いですが、低い位置で茂るので地面を覆うのに利用したり、他の樹木の株元や灯篭やつくばいの元に植える「根締め」として用いられることが多いです。
【育て方】
山野の林内などに自生している典型的な陰樹で強い直射日光と乾燥を嫌います。日射しが強い場所では葉が焼けて赤紫色に変色し、やがて茶色く枯れ込んできます。やや湿潤な土壌を好み乾燥を嫌いますが、極端に乾かさなければ問題ありません。性質の丈夫な植物ですので基本的に厳寒期と芽を吹く時期を除いて植え付け可能ですが、適期は4月と8月下旬~9月中旬にかけてです。かかりやすい害虫はアブラムシ、ハマキムシ、カイガラム、シアブラムシ、カイガラムシは植物の栄養を吸い取る吸汁性の害虫で、ハマキムシは葉を巻いたり数枚をつづり合わせて食い荒らす害虫です。薬剤を散布して駆除しますが、カイガラムシは薬剤が効きにくいので発生が少ない早期の内にこすり落として駆除します。